コレクション: つくりて:株式会社加藤兵太郎商店

創業170年以上、老舗味噌蔵

株式会社加藤兵太郎商店は、小田原市の工場にて味噌醸造を行う企業です。嘉永3年に初代の精米業から始まり、現在は7代目・加藤篤さんが継いでいます。米麹と大豆と塩から造る米みそが特徴であり、「いいちみそ」のブランドで展開しています。古民家を利用した蔵元直売店にて販売しており、調理味噌や味噌を使った菓子等、ギフト用商品も取り揃えています。

木桶へのこだわり

現代では扱いやすいステンレスやFRP素材のタンクなどが主流になり、木桶でお味噌を醸造するお味噌屋さんは減ってきました。しかし加藤兵太郎商店では木桶にこだわり、木桶を大事に使い続けているそうです。

それは、長年使用した木桶には菌が住み着き、その木桶で熟成させることで、加藤兵太郎商店特有の味とコクを醸し出すからです。だから美味しい、とは一概に言えませんが、少なくとも加藤兵太郎商店のオリジナリティを生み出すといいます。

大量生産品とは一線を画す味噌作りに一役買っているわけなのです。 

「大切なのは、基本に忠実につくること」

加藤兵太郎商店では、「大切なのは、基本に忠実につくること」だと考え、日々取り組んでいます。慣れた作業でも手を抜かず、品質の良い味噌を作り続けたいという想いから、この言葉を掲げているといいます。
味噌というものは「季節」、「土地」、「水」、「原料」、「道具」、そして「職人の想い」が、面白いほど出来を左右します。
そのため、昔からその土地ごとに作られる味噌の味は千差万別で、地方色の強い調味料です。毎日のように使うものだから、多様な味が存在することは大きな魅力ではないか、とのことです。
しかしながら、時代の流れで個性ある小さな味噌屋は少なくなっていき、残念ながら魅力であった多様性は影を潜めています。
そんな時代だからこそ、加藤兵太郎商店では「いいちみそ」の味を絶やさないことに責任を持ち、魅力ある味噌を提供する事が大切だと考えているそうです。

170年以上続く伝統の味を、是非ご賞味ください。